お宮歳時記

鎮守の森 春の移ろい
5月の暦
(季節感
旧暦四月中
(卯月:うづき)


立夏5/5
夏の気立つ
この日から約90日間が夏の季

この節季をさらに分けると
蛙始鳴5/
かわずはじめてなく
蛆引出土5/10
みみずつちをいずる
竹勢生5/16
たけのこはじめてしょうず
小満5/21
太陽視黄経 60 度
万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味。西日本でははしり梅雨が現れる頃
この節季をさらに分けると

蚕起きて桑を食う5/21
紅花栄う5/26
麦秋至る5/31
八十八夜5/1(雑節)
立春(2月3日)から数えて88日目。気象の揺れの大きい頃である。「八十八夜の別れ霜」農業に痛手の遅霜の時期と言われる。また、唄で知られる一番茶摘みの頃でもある。
八十八夜の毒霜
九十九夜の泣き霜
四月中頃 八十八夜は農事の上で重要な目安となる
稲の豊作を祈る気持ちが強い
八十八夜の針たけ稲が針ほどの丈になる
八十八夜のはね豆
豆が目を出す
八十八の升掻き
米寿の人に升かきを切ってもらうと縁起よし


 
5月2日頃浅い春である。芽を吹かない広葉樹もあり森が透け、全体がまだ寒々としている。1番右側の栃はなかなか色づかない。もみじがいち早く黄色く色づいている。薄赤く色づいていのが欅である。欅は木によって黄緑に色づくものもあるようだ。   5月6日頃広葉樹もだいぶ芽を吹き森全体がにぎやかになってきた。1番右側の大きな栃の木が緑に変わってきた。その斜め下の欅がかすかに赤みを帯びてきた。もみじが黄色を増してきた。他の欅の芽吹きも1週間前より赤みを増してきた。左側の小さい杉は宮司家の歴代のお墓のある森。昨年 名誉宮司帰幽し5月27日百日祭を行いお骨を納め祖先の仲間入りをした。
その森と鎮守の森の間に村道が通っている。
旧暦四月のこの頃を卯月という
卯の花が咲く頃に由来するという
この花が散るとあたり一面冬の雪のよう
芭蕉の句に
卯の花に兼房見ゆる白髪かな
義経最後の時 侍臣兼房の凄惨な場である
卯の花の咲く頃は長雨が多い
卯の花腐(くた)し
梅雨の走り
走り梅雨

という語もある
卯の花の臭う垣根に
ほととぎす早も来鳴きて
忍び音もらす
夏は来ぬ

という歌を思い出す

5月13日頃 鎮守の森 全景。対岸より遠望。

5月13日頃を以て神社の遅い春も今年は終わり鎮守の森も実質的に夏となる。右側の遅れていた欅のバカもやっと色づいた。これによって神社の森も春の景を完璧にした。他の木々は待ち切れずに夏の様相を呈している。もみじは黄色から緑を増した。欅は木によって薄く、後ろの杉が透けて見える。冬の寒さの影響を受けた木は夏になるのも遅い。

<トップに戻る>