お宮歳時記夏
8月の暦(季節感
旧暦は七月節    文月 ふづき
立秋(りっしゅう)
8/7
太陽視黄経 135 度
初めて秋の気立つがゆへなれば也(暦便覧)
この日から立冬の前日までが秋。一年で一番暑い頃であるが、一番暑いと言うことはあとは涼しくなるばかり。
この日からが残暑 お盆過ぎないと秋という感じはしない

24節季は中国製だから
日本と中国とでは季節感はずれる

秋立つ日 詠める
秋きぬと 目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
(古今集 藤原敏行)
昔からまだ秋とは感じられなかったようだ

神社周辺は大暑なくして立秋の感じの時もある
 

処暑 (しょしょ)
8/23
太陽視黄経 150 度
陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也(暦便覧)
暑さが止まるという意味

9/2
二百十日である
これから台風シーズン。
72候では
8/7
涼風至る

8/13
ひぐらし鳴く

しかし、7月中下旬が神社では盛んに鳴いていた

大宮の鎮守の森の空
夕焼けて蜩の声群れ鳴き交わす

これからは油蝉や
みんみん蝉の
番だが、とんと鳴かない

みんみんや 
二回鳴かせて 通りけり


みんみんは人家の近くで鳴く。近くを通ると「みーんみんみん んーー」である

今年の夏は日照時間が少ない
稲もまだ穂を出さない

8/18
濃霧昇降す

8/15は風祭 神社の例祭の打ち合わせ
例年より1日繰り上げ

新緑の透ける鳥居付近
8/23
綿の花しべ開く

例大祭 31日(日)

8/28
天地始めて寒し

(しょうぶ、はなさく)

9/2
禾(のぎ)実る




72気候とは
1年を24に分けその季節感を示したものが24節季であるが、それではおおまか過ぎるとして各季の間を更に3候、1年72に分けたもの。

神社参道の大栃の木
佐久に勤めていた頃、夏休みで故郷に帰ってきていたある朝まだき。
夏の太陽は明るく昇ってきて、障子を通してそれが感じられる。
そんな時、鎮守の森で、さんこう鳥が鳴いていた。
布団の中でそれを聞いていた。
私の家は神社の小丘の直下にある。鎮守の大樹の空にそびえる直下だから、本当に高い空から聞こえてくる。
高く涼しげな声である。

色彩のきれいな鳥のようだが、実物を見たことはない。

あれ以来40年近く経つが全く現れない。


神社は静かで夏でも涼しい。
森林浴においでください。


三好達治の詩に
..............
ふと それが
かかる精舎の庭に来て
語ることばに信を置け

平和な目
平和な心


というのがあった。

子供の頃の記憶
子供の頃よく神社の庭で草野球をやつた。
小石など芯にしてそれを綿で包み、ぼろ布を細く長くして周囲に巻き付けだんだん玉を大きくしていく。最後に強い糸でぎりぎり巻いてできあがり。
 ホームランを打つと大概は澤の藪に飛び込む。みんな一斉に探しに行く。
すると栃の枝にフクロウが眠っている。
いつも定位置だ。捕まえようということになり、木によじ登る。落ちれば深い澤の谷だ。ようやくの思いで近づくとさっと飛び立ち澤向こうのスギの脇を尾根すれすれに飛び去る。
 そのスギの陰に弟を配置して棒で叩き落とす策を取った。こちらで石など投げた。さっと通る所を「えいっ」的中したが、ふらふらしながら飛び去つた。それ以来何十年もその枝は静寂を保ったままだ。
とういうよりその枝は枯れ落ちその上に似たた枝がある。
 「トウシテホーホー」と鎮守の森で今でも時たま鳴き声がする。あのフクロウの彦孫か。鳴き声で思い出すが、冬の寒い夜など「ホーホーホー」遠くの山で鳴いてるやつもいる。フクロウとは違う。コノハズクという奴かも。