江戸期の歌20選 |
(番号は記録の順) |
1、さてもできたる大幟 かわきの竿に弘法筆 昔源氏の白旗か この歌は大幟五反つぎたてたるときの歌なり |
19、日の本は 道はいろいろ分けてある 拝む所は神は一体 24、世の中は 悪きことは皆棄てて 神や仏もを祈るものなり 29、きしょう(紀州)より ねぶつ(念仏)商いはやりきて 金はいらねど買いかねたやんこはとうとう振りかねた この歌はとくほんしょう人来る時申し候 |
29、天の下 麓の道は大けれど 拝むところは月は一体![]() 31、天で打つのは太神楽 下で打つのは小神楽 五穀上上と打ち合わす氏子そろいて手拍子を 右の歌は天にて神楽の音したと皆申す時申し候 37、舞台なき 矢んこときたる豊年よ 氏子そろひて風祭り 右の歌は文政11年亥年舞台不思議つぶれ申し候時の歌なり
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38、常法寺 鐘の響きで目が覚めて 百姓やんこをぶっ出し ここは千国の寺関所 木戸をぶたれてとめられて 後は千国の功名よ この歌は騒動の歌 小谷村に千国まで百姓出候ところを寺と関所と木戸を打ち留め申し候 説明 騒動とは小谷騒動のこと、常法寺の寺の鐘を打って人を集め、徒党を組んで百姓等のふまんをお神にぶちつけようと待機よして文政8年12月18日夜半、押し出したのであるが、残念にも源長寺の和尚に説得され、千国の関所では木戸を打たれ、くいとめられてしまつたが、騒動の快挙がよく表れた歌である。 41、日本い(へ) 地震と来たる地福神 ゆり納めて天下太平 この歌は京へ地震ゆり来る時申し候 45、太田も小田も 山田の稲も実りよく 横川かけて俵とるべし この歌は田のよく実入りたる時申し候 52、江戸表大火にて 不浄や汚れを焼き払い 日の本は天下きれいに国をさめ 56、下寺のもんの河原い いばらき童子が生まれ出て 上がり下りの 金銭 をとり食いためたるその上に異国より綱に似たる人夜来たり 人も知らずに切り退治 あと穏やかに納め候 説明 茨木童子は、大江山の酒呑童子の有名な部下のこと。綱に似た人とは、源頼光の 四天王の一人渡辺の綱のこと。羅生門の鬼退治で有名。当時下寺に凶悪な人物が出 現。通行人から金銭を奪い。世間に大変迷惑をかけていたが、ある夜人並みはずれた腕 前の勇者が来て、苦もなく退治してしまい、後は穏やかになったとのこと。 右のこれまでの歌は五拾五御座候以上右はやんこの歌なり。 帳面につづりたる理由は45番の歌にて 五人衆の中から領主に訴願せいし時領主より取 り調べ のために今までの歌を差し出すべし、との命により、差し出したる綴りのまま残りたるもにのなり。 |
以下1枚が一年ずつの歌 59、大水であまたの橋も皆落ちて 山いし殿が十五両 橋も見事にじゅうじして 八百年もこたいよ 61、都にまさる大宮よ 谷にまれなるとおりもの 登りて拝む大明神 73、月も日も照り輝いて世の中よ 山里なしに俵とるべし 82、ながしけも 東は戸隠大権現 西はとしょう大明神 神々様の方便に 願い通りの祭典よ 91、菊切りの長夜照らして立て様は 今は長州征伐 92、寅年来る 豊年よ ごこぎにまでも穏やかに こと治まれば天下泰平 98、昔より音に聞こえし大宮よ 安曇まれなる村社なり 開(し)らくところは唐傘よ (この歌が明治元年か) |